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いま「氷温熟成」が話題です。日本の伝統「寒仕込み」の美味しさを、人工的に再現することで手軽に味わえるのだといいます。
「氷温域」で、食べ物を寝かせる(加工・熟成)させることによって、「うまみ」が引き出されるのだといいます。肉や魚、味噌華雪、キーコーヒーにまでその加工方法は広まっているようです。
目次
人工の「寒仕込み」・・・「氷温熟成」
「寒仕込み(かんじこみ)」とは、別名「寒造り(かんづくり)」ともいい、日本酒の仕込み方のひとつとして知られています。四季のある日本ならではの、冬の気温の低さを利用した日本に古くから伝わる加工技術だそうです。
この「寒仕込み」を人工的な温度管理で再現したのが「氷温熟成」であり、モノが凍る直前までの温度域「氷温域」で、食べ物を寝かせる(加工・熟成)させるといい、食品メーカーの商品開発において注目を集めているんだとか。
・健康ブームによる人気の食肉や発酵食品と相性が良い
・冬の気温ではなく人工的な温度管理なので、季節に関係なく安定生産可能
・手頃な価格で「うまみ」を味わえる
といった、いいことづくめとなっています。
「氷温熟成」の肉
岩手県産豚ロースを、通常の肉と「氷温熟成」肉で食べ比べすると、「氷温熟成」肉のほうは、甘みがあってしっとりしているといい、余計な調味料なしで食べられる程だとか。
「氷温熟成」肉に加工すると、普通の豚肉でも、銘柄豚以上の美味しさになるほどの衝撃だといいます。
マイナス1度の温度で15日間熟成させれば、「うまみ成分グルタミン酸」が2倍になるんだとか。これは驚きです。ただ、日数をかけすぎると、うまみ成分が増えると同時に菌も増えてしまうそうで、安全と美味しさのバランスがポイントなようです。
東京都江東区にある食肉卸「野村商店」の直営の焼肉店「焼肉ニクマサ」では、150グラム1296円での提供をスタートしています。ちなみにブランド名は「氷温熟成 豚姫(ぶたひめ)」といいます。気になる人は一度食べに行ってみては。住所は東京都墨田区立花3-14-1、電話番号は03-6657-0172です。
「野村商店」は都内のイタリアンレストランや肉バル、結婚式場などに「氷温熟成」肉を卸しているそうです。
ほかにも、静岡県の萬幻豚(まんげんとん)、群馬県の氷室豚(ひむろぶた)などがあります。
鶏肉なら大阪市にある「焼鳥YAMATO北新地」という焼き鳥店は、「フサンダージュ(熟成鶏)」を提供しています。東京は三軒茶屋の「串屋番鶏」もあります。
「氷温熟成」の魚
東京日本橋タワーに6月にオープンした福井県のアンテナショップ居酒屋「熟成魚場 福井県美浜町」では、1080円で「熟成食べ比べ 美浜の刺身盛り」といったメニューが。
イタリアンバルのItalian Bar VAMPIROでも、熟成魚を扱っています。
「氷温熟成」の味噌「華雪(はなゆき)」
ひかり味噌株式会社は9月に、味噌業界では初めての「氷温熟成味噌」である「華雪(はなゆき)」を発売しています。味は甘くまろやかで塩見は取れて、野菜スティックをそのままつけて食べると美味しいんだとか。家庭でも手軽に食べることがいいですね。
「華雪」100gあたりの値段は133円。通常味噌30~120円なのでちょっと高いですが、寒仕込み240~340円と比べると断然安いので、これは買いかも。
「氷温熟成」のキーコーヒー
「氷温熟成」の波は様々な食品メーカーに広がっていて、キーコーヒーは「氷温熟成珈琲」を販売しています。
「氷温熟成」させることで、今までにないコーヒーの香りが楽しめるそうです。コーヒーの場合は「香り成分」が増えるんだとか。
「氷温熟成」食品、試しにひとつ食べてみは?
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