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テレ東オムニバスドラマ「望郷」三編の1つ「海の星」。湊かなえさんによる原作小説を読んだので結末などネタバレに迫ります。
「海の星」は、突然父が失踪し、毎晩探し回った息子と母親。そして息子に声をかけた漁師の物語。
20年間、漁師が胸に言えずにいた秘密を息子が知ったとき、それぞれの想いが明らかに。
湊かなえさんの原作を読んでドラマ最終回のネタバレを紹介するので、ドラマ「望郷『海の星』」を見れなかったひとや、テレビで見るほど興味はないけど内容は知っておきたい人は参考になればと思います。
目次
■ 湊かなえ【望郷】「海の星」キャスト
■
・浜崎洋平(伊藤淳史)
東京の郊外で家族3人暮らし。
20年前に父がいきなり失踪し、母と毎晩探した。
ある日、漁師の幸作に声をかけられた。
・洋平の妻:浜崎友美(紺野まひる)
■洋平の両親・大叔父
・母:浜崎佳子(若村麻由美)
夫が失踪してからは毎日朝から晩まで働いて、息子・洋平を育てた。
毎晩、夫を探して歩き回る。
・父:浜崎秀夫(橋本じゅん)
20年前に突然失踪
・大叔父:浜崎家の大叔父(モト冬樹)
■おっさん
・漁師:真野幸作(椎名桔平)
釣りをする洋平少年に声をかける
■洋平の高校の同級生
・真野美咲(平山あや)
現在、島の小学校の先生
幸作の1人娘
■20年前 ・少年期の洋平:浜崎洋平(加藤清史郎) ・少女期の美咲:真野美咲(平祐奈) |
■ 湊かなえ【望郷】「海の星」あらすじ
白網島出身の浜崎洋平(伊藤淳史)は、東京のマンションで妻の友美(紺野まひる)、息子の太一(五十嵐陽向)と3人暮らし。
ある日、洋平宛てに一枚の葉書が届いた。高校時代の同級生、真野美咲(平山あや)からだ。
仕事で上京するので、「お父さんのこと」で、どうしても会って話したいという。20年前――。
洋平(加藤清史郎)が小学6年生の秋、父・秀夫(橋本じゅん)が失踪した。
「煙草を買ってくる」と言い残して家を出たきり、行方不明のままだ。
果たして事故なのか事件に巻き込まれたのか、それとも…。
母の佳子(若村麻由美)は毎夜、洋平を伴い秀夫の行方を捜す。父が姿を消してから、佳子は働き始める。
早朝・休日を問わず働きづめの生活を送る母の姿を見て、洋平は少しでも家計を助けようと、物置にあった父の釣竿を持ち出した。
洋平が釣りをしていると、クーラーボックスを肩からかけた真野幸作(椎名桔平)が近づいてきた。
漁師だという幸作は、洋平に頻繁に声をかけては、クーラーボックスの魚を分けてくれるように。
たびたび洋平の家にも訪ねてきたが、ある出来事をきっかけに疎遠になり、それ以来会っていなかった。葉書をくれた美咲は幸作の娘。
「どうしても話したいこと」というのは、幸作が最近になって美咲に明かした『ある秘密』に関することだというのだが…。引用:http://www.tv-tokyo.co.jp/boukyou/
■ 湊かなえ【望郷】「海の星」原作読んでネタバレ。結末は?
湊かなえ【望郷】収録の「海の星」、ドラマの原作を読んだので結末をネタバレします。
まず簡単にネタバレすると、父は失踪した日に海で死んでいます。
幸作(おっさん)が洋平と疎遠になった「ある出来事」とは、父は死んでいると告げて母が激怒したから。
幸作(おっさん)は船の漁網にかかった遺体を引き上げずに海に戻したのですが、それが浜崎秀夫だと知り、事実を告げるために洋平に声をかけたのです。
■20年前
洋平が小学6年生の秋、夕飯のあと父はタバコを買いに行ったまま帰ってこなかった。
警察や勤務先の造船所などんも電話するが、行方はわからず終い。
翌日から母と洋平は、夜になると父を探して歩き回った。
1週間後には尋ね人ポスターを町中に貼ったり、町内の人々も一緒に探してくれた。
父はおとなしい性格だがお洒落さんで、失踪した日の服装は派手。
赤字にキリン模様という、夕日が沈むアフリカがモチーフのシャツ。
一見するとチンピラのような恰好だった。
親切に協力してくれる人がいる一方で嫌がらせもあった。
「浜崎秀夫は死んでいる」と電話がかかってきたり、同じ文面で差出人不明の手紙も何度か届いた。
親戚が父が死んでいると言ったが、母は絶対に認めなかった。
自殺なんかするはずない、借金もない、病気だってしてない。
洋平とも遊園地に行く約束をしていた。
親戚たちを追い出し、父が死んだとくちにした人とは縁を切った。
■おっさんとの出会い
洋平は半年ほど母と一緒に毎晩父を探したが、中学の後半からは行かなくなった。
おっさんとの出会いがきっかけだ。
父が失踪した翌月から、専業主婦で働いた経験のない母だったが、病院の清掃員でフルタイムに早朝出勤つきで勤務を始めた。
食事はわびしいものになり、物足りない洋平は暇を持て余していることもあり、釣りを思いつく。
近所の堤防に行くと面白いようにアジが釣れた。
洋平はあとで知るがここは有名な釣りスポットだった。
洋平が釣った50匹のアジを持ち帰ると母は喜んでくれたし、食べたらとてもおいしかった。
3日間連続でアジ料理でも調理方法を変えれば飽きることはなかった。
釣りを初めて3度目の週末。
クーラーボックスを肩からかけたおっさんが声をかけてきた。
小さいアジが数匹しか釣れていない洋平に、大きなアジをくれた。
食べるととてもおいしかった。
■おっさんとの日々
翌週もおっさんは現れ、今度はイカをくれた。
そして家に来てさばいてくれた。
洋平に年齢や学年、家族について聞いてきたが深くは尋ねなかった。
一方おっさんには洋平と同い年の娘がいて、島の南に住む漁師だとわかった。
母はタダで魚をもらうのを拒んだが、母がマッシュルームやハンカチなどをお返しして折り合いがついた。
それから2週間置きにおっさんはやってきた。
魚だけでなく、娘が焼いたというクッキーやマドレーヌも持ってきた。
洋平は、おっさんのことは嫌いではないが母目当てで来ていると疑っていた。
(おっさんの妻は2年前に病死)
■おっさんと決別したある出来事
父の失踪から3年後、おっさんが突然スーツで家にやってきた。
しかも白いユリの花束を持って。
洋平は、おっさんが母にプロポーズしに来たと思った。
おっさんは母に
夫は死んだと区切りをつけて楽に生きる方法を考えてみないか
と慎重に言葉を選んで切り出した。
しかし母は「夫は生きています!」と激怒し、金輪際会いたくないと追い返したのだった。
その後母は1人で泣き、洋平は外へ釣りに出かけた。
すると堤防におっさんがいた。
そして隣にいるカップルが、光が海に反射するのを見て「海の星」だとはしゃいだ。
おっさんは「あんなの偽物だ。本物見たことあるか」と洋平に言う。
足元のバケツの海水を海に投げ入れると、透明な青い輝きが海面にきらめいた。そして一瞬で消えた。
「星の海」
おっさんはじゃあなと消えていった。いつもは車で来ていたおっさんがこの日は船だった。
■洋平と美咲
洋平は美咲がおっさんの娘とは知らずに、高校時代に恋をした。
両想いだったのだが、体育祭の前日に告白しようとした時にハプニングが。
美咲がくれた手作りクッキーを食べた瞬間、その味でおっさんの娘だとわかったのだ。
しかも、おっさんは「ボランティアで魚やお菓子を上げていた」と美咲に話していたと知り、洋平は激怒。
ロマンチックなムードは一転し、洋平はクッキーを美咲に返してそのまま帰ってしまった。
それ以降は美咲とは何も起こらなかった。
■おっさんが美咲に明かした「秘密」
大人になって先生になった美咲が洋平に「どうしても話したいこと」とは、おっさんが美咲に明かした衝撃的な「秘密」だった。
まず、おっさんは半年前に肝臓がんになり手術を受けることになったという。
そして「秘密」とは、洋平の父についてのことだった。
洋平の父は20年前の失踪時に亡くなっている。
瀬戸内海では1年に数回、漁師の網に死体がかかることがある。 しかもおっさんは、過去に警察に通報した時に丸一日拘束されたせいで、妻の死に目に会えなかった。 しかししばらくして尋ね人ポスターを見て、おっさんは息が止まりそうになった。 おっさんは、浜崎家に事情を説明しなければと、手土産を持って行った。 そしてついに3年目にスーツを着て事実を話しかけたが、佳子を怒らせてしまった。 |
おっさんの秘密を聞いた洋平は、母がもしかしたら父が海で死んだと知っていたかもしれないと思った。
母は最後の半年間、海が見える病院で過ごしたが
「私の骨は全部海に流してちょうだい」
と話していたからだ。
しかし洋平は、墓を建てることを母が遠慮しての発言だと思って、浜辺の墓に納骨していた。
■おっさんは生きている
洋平は、おっさんも海の星になったのかと思った。
しかし、美咲が「がんで手術」と言ったのを洋平が早とちりしただけど、おっさんは生きていた。
手術は成功して、先月から漁に出ているという。
おっさんは20年間ずっと苦しんだ。
洋平は美咲に
「海の星を見せてくれてありがとう。と伝えてくれ」
と頼んだ。そして美咲はうなずき目頭を押さえ、洋平も。
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