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北九州市で特定外来生物の「ツマアカスズメバチ」の巣が発見されました。場所は門司区松原3丁目の「新町浄化センター」という下水処理場内ですが、国内では2012年に長崎県対馬市で確認されて以降初めてとなります。
毒性は他のスズメバチと同程度とされていますが、やはり人を刺すので心配されています。天敵である渡り鳥の「ハチクマ」が繁殖を防いでくれれば良いのですが。怖いニュースです。
目次
ツマアカスズメバチとは?
「キラービー」とも呼ばれ、体長は2~3cmボディは全体が黒く、腹がオレンジで脚が黄色という見た目をしており、昆虫やクモを食べますが特にミツバチが好物。もともとは日本に生息していなかった特定外来生物で中国の蜂です。
獰猛な性格で台湾やマレーシア、インドネシアでは刺されたことによって死去される方も多いということで知られています。凶暴性・危険性については日本でもススメバチは同じくらい恐れられている存在ですね。
そしてもうひとつ問題とされているのが、その繁殖力です。対馬では発見されてからたった1年に分布が拡大していることが確認されています。侵入経路は不明ですが、対馬へはおそらく韓国経由で入ってきたと考えられています。
生態系への影響が心配される
ツマアカスズメバチは基本的に好物のミツバチを主に捕食するので、養蜂業への被害が懸念されています。対馬では蜂蜜が名産品でしたが養蜂業への深刻な影響により、対馬市は対応に苦慮していました。
当時、対馬市では駆除を徹底し、本土への拡散を何としても食い止めようとしていましたが、巣が10m以上の高い場所にあることなどもあり駆除は難航していたといいます。そして心配していた本土への拡散が、今回北九州市での巣の発見により現実のものとなってしまったのです。
天敵のハチクマとは?
獰猛な性格と繁殖力が恐れられるツマアカスズメバチにも天敵がいます。それは渡り鳥の「ハチクマ」です。鳥なので、巣が高い場所にあっても全く関係ありません。巣を壊すほど攻撃し、いくらハチにたかれれてもビクともせず好物の幼虫やさなぎを食べ尽くしてくれます。
ハチクマのタカの1種で、小鳥やカエルも食べますが基本的にはスズメバチやミツバチを捕食します。ミツバチも食べてしまうと聞くと養蜂業に被害があるのではと思いがちですが、ある養蜂業によると食べるのは捨てられている雄蜂の蛹なので、被害になることはにないそうです。養蜂業にとってはスズメバチを食べてくれるハチクマはむしろ頼もしい味方なんだとか。
ハチにたかられても平気なのは、堅い羽毛によってハチの針が刺しにくかったり皮膚に届きにくかったりと考えられています。他にも体から匂いを出してハチを防いでいるとも言われていますが、はっきりとしたメカニズムはまだ解明されていません。
なんにせよ、ハチクマがツマアカスズメバチの駆除に一役買ってくれれば助かることは事実です。本土拡散を防ぐ救世主となってくれるのか?期待です。ただ、自然の動物ですからアテには出来ないので駆除作業を徹底するしかないことも事実です。
ハチクマって云うからてっきりクマの仲間だと思った…(-_-;) pic.twitter.com/ZqFLzjSsp1
— 斑 (@Fz400Ryo) 2015, 8月 17
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