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「トリカブト殺人事件」は1986年に起きた、莫大な保険金をかけた嫁をトリカブトで殺すという事件です。犯人は神木力さんといい、一貫して無罪を主張しましたが、証拠は明らかで、無期懲役となりました。
そんな「トリカブト殺人事件」は、1992年に犯人を嫁、被害者を旦那に変えて、早見優さん主演でTBSでドラマにもなりました。TBSでは今度、2015年11月4日(水)19時00分から放送の「水トク!」で真相にせまります。
目次
トリカブト殺人事件の始まり 嫁Cが沖縄旅行で突然亡くなる
1986年(昭和61年)の5月19日、神谷力さんと嫁Cさんは沖縄旅行にでかけました。嫁Cさんのホステス時代のと友達3人も誘って、彼女たちとは翌日20日に那覇空港で待ち合わせました。
すると、お昼前の11:40に神谷力さんは「急用を思い出した」と言って大阪のの自宅に帰るため1人空港に残ります。嫁Cさんと友達3人は、神谷力さんを置いて予定どおり旅を始めました。
5月20日のお昼すぎ、飛行機にのって石垣空港につき、ホテルにチェックインすると、嫁Cさんが急に苦しみ始めました。大量の汗と寒気、手足も麻痺するという大変苦しい状態になり、救急車が呼ばれ八重島病院に運ばれることに。
しかし、嫁Cさんは病院に到着するまえに容体が悪化。心肺停止になってしまい、病院に着いてからの処置でも脈は戻らずに15:04に亡くなったのでした。
トリカブト殺人事件 嫁Cの行政解剖で不審な点が見つかる
嫁Cさんの亡骸は、沖縄警察の手配によって琉球大学の大野教授が行政解剖を行いました。これにょり嫁Cさんの死因は急性心筋梗塞と診断されました。ただ、「内蔵に病的な異変がないのに、心臓に小さなうっ血があった」「急死するような明らかな原因がない」といったことから、大野教授は不審に思ったので、嫁Cさんの「心臓と血液30cc」を保存しておきました。
トリカブト殺人事件 嫁Cの死が大きなニュースになる
嫁Cさんの友達たちは神谷力さんを怪しいと疑っていました。
その理由は
・神谷力さんは嫁Cさんに金品を大量に送って、
出会いからたった6日でプロポーズした
・神谷力さんは「公認会計士」を名乗っていたが
公認会計士名簿には名前が載っていない
といったものです。
彼女たちは警察やマスコミ・新聞社などにこのことを話し、日刊スポーツやFOUCUSは大々的に報道したのでした。
トリカブト殺人事件 神谷力が保険金のめぐって裁判を起こす
神谷力さんは、嫁Cさんに多額の保険金をかけていました。保険会社4社で合計1億8500万円という莫大な金額です。もちろん受取人は自分です。しかし不審点がふたつありました。
【不審な点1.】
金額がこれだけ莫大なので、毎月の掛け金も多く、18万円でした。しかし、嫁Cさんが亡くなる20日前に保険に加入したので支払った掛け金は1回分の18万円だけでした。18万円払っただけで1億8500万円を手に入れることになるのです。
【不審な点2.】
また、嫁Cさんには神経系の病気で通院した過去があったのですが保険に加入する際にそのことを通知していませんでした。保険金を受けろうと企んでいたことがみえみえですね。
この2点の不審点により保険会社は、病気の「告知義務違反」を理由に支払いを保険金の支払いを保留しました。
神谷力さんは支払いを求めて民事訴訟を起こし、自分で作った手記を証拠にうったえて、「告知義務違反」はなかったことになり、一審でなんと勝訴します。
保険会社は控訴して2審が開かれましたがここで事態は一転します。嫁Cさんの行政解剖をした大野教授が、死因は毒物の可能性があると証言したのでした。すると神谷力さんは訴訟を取り下げたのでした。
この時点では逮捕はされていません。
トリカブト殺人事件 ついに発覚
1991年(平成3年)、嫁Cさんの死から5年後、神谷力さんは横領の疑いで逮捕されました。その横領捜査のなかで、嫁Cさんを保険金目的を殺した可能性が出てきて殺人および詐欺未遂でも逮捕されました。
決め手は大野教授が保存していた「嫁Cさんの心臓と血液30cc」でした。分析するとトリカブト毒が検出されたからです。
1994年(平成6年)、東京地裁は神谷力さんに無期懲役を言い渡しました。神谷力さんは無実を訴え控訴しましたが、2000年に最高裁でも上告を棄却されて無期懲役が確定しました。
2012年(平成24年)、大阪医療刑務所で神谷力さんは病気で73才でなくなりました。
トリカブト殺人事件の犯人 神谷力
1986年当時、神谷力さんは33才でした。それまでの5年間に彼はなんと3回結婚して、3人の嫁が全員亡くなっていました。
【1人目の嫁Aさん】
1965年(昭和40年)、神谷力さんは看護師の女性Aさんと結婚しました。
1971年(昭和46年)、嫁Aさんとの結婚生活が続くなか、会社の経理課の上司の女性Bさんと出会ってから10年間のもの間、浮気をして不倫関係にありました。
1981年(昭和56年)、不倫開始から10年目、嫁Aさんが38才という若さで心筋梗塞により亡くなります。ただ、嫁Aさんに保険金はかけていませんでした。
【2人目の嫁Bさん(嫁Aさん結婚中の不倫相手)】
嫁Aさんが亡くなったあと、神谷力さんは不倫相手あったBさんと同棲生活を始めました。そして、Bさんに保険金1000万円をかけて結婚しました。
1985年(昭和60年)、嫁Bさんが急性心不全で亡くなります。
【3人目の嫁Cさん】
1985年(昭和60年)、嫁Bさんが亡くなってからわずか1ヶ月、神谷力さんは池袋のクラブのホステスと交際を始めました。
そしてさらに4ヶ月後にはCさんとスピード婚します。
トリカブト殺人事件 TBSドラマ
トリカブト殺人事件は、TBSで1話かぎりのスペシャルドラマとして1992年に放送されています。ドラマの主役は犯人の神谷力さんではなく、早見優さん演じる女性フリーライターとなっています。また、犯人も女性の設定で、神木涼子という役を増田恵子さんが演じています。殺されるのも嫁ではなく旦那のという設定です。
トリカブト殺人事件 TBSドラマ 1992年放送 pic.twitter.com/B3Nlam55K9
— クロスケ (@kuro_we) 2015, 11月 3
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