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「新型ノロウイルス2015」が大流行というニュースが報じられています。じつは「新型ノロウイルス2015」は今年のはじめから全国に広がっていて、一部地域では集団感染も相次いでいました。新型のために人は免疫を持っていないので、毎年ノロウイルスの感染者が増える秋冬には大流行する兆しがある注意が促されていましたが、まさにその通りになってしまいました。もしかしたら2006年におきた過去最悪の大流行につながる恐れもあるといわれています。
そんな「新型ノロウイルス2015」の症状と検査方法についてご紹介します。
目次
★新型ノロウイルス2015の症状
感染性胃腸炎や食中毒の原因となるノロウイルスに感染するとその症状は、高熱が出て嘔吐や下痢を繰り返す大変苦しいものです。生の魚介類もしくは、感染した人の嘔吐物から感染し、体力のないお年寄りや子供が重症化することが多いといわれています。最悪の場合、誤嚥(ごえん)性肺炎を併発して死に至ることもある恐ろしいウイルスです。
潜伏期間は2日前後、発症するときつい嘔吐や下痢が1日に10回以上は襲ってることもあるといいます。
★新型ノロウイルス2015の検査
新型ノロウイルス2015および従来のノロウイルスに感染したかどうか、検査は病院で受けられます。ただ費用については、3才未満の子供・65才以上のお年寄りは保険が適用されるのですが、それ以外の人、つまり3才から64才には保険が適用されず、平均で4000~5000円くらいの検査費用と、初診料・診察代がかかるそうです。
しかし、検査をうけてノロウイルスだとわかっても、ノロウイルスには治療薬がないので、自然に治るのを待つしかありません。その手助けとして、腸内細菌を整える整腸剤や、腸の動きをゆっくりにする飲み薬が処方される思います。
自分で治そうとしてドラッグストアなどで買った下痢止め薬や吐き気止めの薬を自分で買ってきて飲むのはオススメできません。それでは急性胃腸炎での体内毒素を処理することにならないからです。かえって辛い時間が増えるだけになってヤバそうです。
★新型ノロウイルス2015の発見
埼玉、栃木、長野各県と川崎市という、関東甲信地方の4つの自治体で2014年以降に検出されたノロウイルスの遺伝子型を調査した結果、「G2・17」という新型が今年2015年になってから急増しているとわかりました。3月に糞便から確認されたのが新型のノロウイルスだったといいます。
この「G2・17」新型ノロウイルスは、毎年メインで流行している「G2・4」型を大きく上回る病原菌だということで、大流行の恐れもあるとして警戒を呼びかけています。
★新型ノロウイルス2015「G2・17」の対策
川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長によると、2006年に過去最悪の感染者が出た当時のような大流行も考えておくべきであるといいます。そして対策については、新型であるものの特別な対策が必要ではなく、今までのノロウイルス対策の「手洗い」「二枚貝の加熱調理」などを徹底してほしいと呼びかけているそうです。
もうすぐカキのシーズン到来ですが、加熱が不十分なカキは危ないようです。10~100個くらいのわずかなウイルス粒子で発症してしまう強力なノロウイルスだからです。ただ、十分な加熱処理をすれば安全に食べることができるといいます。
また、基本的な対策として、従来のノロウイルス同様に、食事前の手洗い、トイレのあとの手洗い、手洗い時はせっけんを使うといったことがあります。
これからの大流行の時期は、マスクを着用することも対策としてオススメです。ノロウイルスは乾燥に強く、嘔吐物や下痢便に含まれたウイルスが空気中に飛び散って、それが人の口へ入って感染する恐れがあるからです。想像すると気持ち悪いですが・・・ゲロや下痢便にあったものが飛んでるわけですからね・・・。
★新型ノロウイルス2015「G2・17」の被害 10月から急増!大流行の兆し
川崎市の高齢者施設および保育所でノロウイルス新型2015「G2・17」による集団食中毒が発生しており、8月末までの時点で被害は19件36人となっています。さらに最近では関西でもウイルス検出の報告があがっているほかに、中国・台湾でもノロウイルスの流行が確認されているんだとか。
2015年10月からは、ノロウイルスが原因という感染性胃腸炎の患者が急増していて、例えば小児科3000箇所で1ヶ所あたりの患者数は、11月9~15日の週だけでも約7名だということです。1週間で1ヶ所7名ということは3000ヶ所全体で21000人!、10月から11月で30人☓3000ヶ所=9万人になってしまいます。モノスゴイ数ですね・・・。
ノロウイルス新型2015は、従来のものより重症化しやすい代物ではないようですが、新型なために感染を防ぐための抗体を持っていませんから、感染しやすいそうです。これはヤバイですね。もしも発症した場合は、水分補給をこまめにして体力消耗を防ぎましょう。
★新型ノロウイルス2015 水害被災地での感染予防対応
鬼怒川の決壊により大変な被害が出た茨城県常総市では、早くも健康被害が出ていて、お年寄りの中には咳が出てきたというひともいます。災害の直後は、低体温症や肺炎に対する救命治療が中心でした。数日すると糖尿病など慢性の病気の治療や薬の処方が中心へと変化していきました。そして今度はノロウイルスです。
感染を予防するには、やはり基本は「手洗い」と「うがい」。その他、マスクを着用する等の咳エチケットの徹底が求められています。避難所で発熱や嘔吐があった場合は感染症の疑いがあるため別スペースに移して医師の診察を受けることが必要だといいます。
水害による被災で、精神的にも体力的にも、経済的にも大打撃を受け、先が見えないなか復興目指してるみなさんにとって、追い打ちをかけるようなノロウイルスの恐怖。感染者が出ないことを祈ります。
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