_
南原竜樹社長は、失敗で地獄を見た企業のトップとして知られています。
2001年に放送された「マネーの虎」では「冷徹な虎」と呼ばれ、高級外車の輸入販売で年商100億円というすご腕社長。大物俳優に高級車を持ち逃げされても笑い話にするなど余裕でした。
しかし、わずか1年後 マイナス100億円の損失を出してホームレスに・・・急転直下の転落人生。
現在は見事復活し、再び年商100億円を遂げているのが凄いです。
目次
■ 南原竜樹 プロフィール
南原竜樹社長は岡山県出身1960年生まれの現在56才。
クルマ好きだったので、愛知工業大学の卒業旅行で行ったドイツでは観光ではなくディーラー巡り。
ところがそこで見たのは、日本で売られてる価格より断然安いクルマたちでした。
衝撃を受けた南原竜樹社長がクルマ仲間に話すと、購入希望者が手を挙げ、これが高級外車の並行輸入ビジネスの始まり。1983年23才の頃でした。
■年商100億円の会社が急成長
1988年28才の頃、「オートトレーディングジャパン株式会社」を設立します。
バブル絶頂期の恩恵もあり、車は飛ぶように売れて会社は急成長します。
当時は、ベンツ190Eが「赤坂のサニー」BMWが「六本木のカローラ」などと呼ばれ当たり前のように都内を走っていた時代。
フェラーリF40・テスタロッサ・カウンタック・ポルシェなどのスーパーカーも人気でした。
超高額な価格でも車が売れる時代でした。
例えば南原竜樹社長は、フェラーリF40を4700万円で仕入れ、2億円で販売し、それでも売れたというから信じられません。
が高級外車を大量に輸入して会社は急成長。
2001年41才の頃、アルファロメオの代理店「チェッカーモータース」を買収
2003年43才の頃、ロータス、MGローバーの輸入権を獲得
そして最盛期の2004年44才の頃には、年商100億円の大台にまで上り詰めます。
自宅は六本木ヒルズ。車は3000万円のベンツという生活でした。
■大物俳優が高級車を持ち逃げ?
南原竜樹社長は当時、宣伝のために高級車を映画やドラマの撮影に提供していたそうです。
宣伝効果は抜群で、劇中で人気俳優や大物俳優が実際に乗った高級車はたくさん売れたんだとか。
ところが、ドラマに提供した高級車をある大物俳優が気に入って、そのまま乗って帰ってしまったことがあったそうで、その車はかえってこなかったそうです。
仰天エピソードですね。今なら警察沙汰ですがバブル当時は豪快ということで通ってしまったのでしょうか。
南原竜樹社長も現在は笑い話としているくらいですから、宣伝効果による売り上げも凄かったのでしょう。
■マネーの虎に出演
南原竜樹社長は2001年に放送された人気のテレビ番組「マネーの虎」にも出演していました。
この番組は、新規事業のアイデアを持参した志願者を査定して、良ければ出資するというもの。
名物社長の川原浩史さんや堀之内九一郎さんと並び、番組を盛り上げ、おかげで知名度もあがりました。
冷静な口調で「楽しようとするな」とバッサリ発言する姿から「冷徹な虎」の異名を持ちました。
それがやさしさでもあったわけですが。
■ 南原竜樹社長のしくじり 借金100億!!
年商100億を達成して絶好調だったはずの南原竜樹社長ですが「マネーの虎」の番組終了からわずか1年後に、信じられないことが起こります。
2005年。メインの仕入れ先だったMGローバーが、まさかの倒産をしたのです。
どこかの傘下に入って再生するだろうと思ったそうですが、予想は外れて本当に倒産。
南原竜樹社長の会社は大量の在庫を抱えていたのですが、ローバーの工場はもぬけの殻となり、アフターフォローが不可能になったことで、新車として価値は大幅ダウン。
立て直すプランはあったのですが、銀行は冷たく、融資を一斉に引き上げました。
■従業員全員の解雇に涙
悩んだすえに出した答えは、従業員263人全員の解雇。
倒産はせず借金を返済し会社をゼロから立て直すことに。
かれらに解雇を告げたときには、南原竜樹社長は泣いたそうです。
人を失うツラさは、事業や金を失うことよりつらく、言葉にならないといいます。.
■敗戦処理
自社ビルやショールームはすべて売却し、毎月1億円ずつ返済。
在庫の新車は半額以下でしか売れません。
返済日に間に合わない時は、知人から借金したり、高金利の金貸しに頼ったことも。
オフィスの机とイスをネットオークションで売ったお金3500円を生活費にし、食事は1個50円のカレーパンで1日過ごすこともありました。
■ホームレスに
六本木ヒルズに住んでいたセレブは、住所不定のホームレスになりました。
下の公園で寝ていると守衛から追い出される始末。
バス停のベンチで寝るとトラックの振動で起こされるので、静かで雨もしのげる高速道路の下に落ちつきました。
■ 南原竜樹社長の現在 しくじりから復活!
急転直下の転落から1年後。
南原竜樹社長は復活に向けて本格始動し出しました。
実はサラリーマンの再就職も考えたそうですが、求人誌を見ると夜間警備とタクシーしかない。
ヘッドハンティングもありましたが、南原竜樹社長が有名すぎて使いにくいということで。
ロータスの子会社で働く道もありましたが、面白くないので、やはり会社再建を目指すことに。
最初は資金がないので、知人の会社の一角に居候して、人材派遣業からスタート。
派遣する人材は、自分の人脈をたどりました。
高齢化を見据えて、医療・介護に力を入れた派遣業は成功。
派遣業で得た利益を元手に今度は
・M&Aの仲介
・レンタカー会社の買収
・メディカルケア会社の買収
・旅館の再生
・腕時計の輸入販売
・飲食業
など事業を幅広く拡大していき、現在はグループ全体で社員3000人の規模に成長しているといいます!
そして年商も100億に復活したというのだからスゴイ!さすがマネーの虎。
この記事へのコメントはありません。