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政府の新しい政策「プレミアムフライデー」のスタートが迫っています。
実施企業の一覧はないですが、経済産業省のホームページのプレミアムフライデーを推進協議会名簿から実施しそうな企業の一覧がありました。
「プレミアムフライデー」とは、月末の金曜の15時退社をして得た自由な時間で、消費を増やしてもらい経済活性化しようという政府の政策です。
いつからかというと2月24日(金)からですね。
イベントなどを企画して備えている企業もあるようですが。
しかし「プレミアムフライデー」は、政府に対して批判の声が多いです。
中小企業にはとても現実味がなく、非正規雇用は働く時間が減れば当然給料が減ります。
サービス業などに負担が増えるばかりで、公務員や大企業だけが恩恵を受けるという見方が多いからです。
目次
■プレミアムフライデーとは
プレミアムフライデーとは、月末の金曜の15時退社をして得た自由な時間で、消費を増やしてもらい経済活性化しようという政府の政策です。
経済産業省のホームページにはこうあります。
個人が幸せや楽しさを感じられる体験(買物や家族との外食、観光等)や、そのための時間の創出を促すことで、
(1) 充実感・満足感を実感できる生活スタイルの変革への機会になる
(2) 地域等のコミュニティ機能強化や一体感の醸成につながる
(3)(単なる安売りではなく)デフレ的傾向を変えていくきっかけとなる
といった効果につなげていく取組買物・観光・ボランティア・家族との時間など、多くの方が「生活の豊かさ」や「幸せ」を感じられるよう、付随する商品・サービス、イベントなどを地域・コミュニティ・企業等で検討
引用:経済産業省
日本全国で業種にとらわれずに実施となりますが、強制力はありません。
企業の自由意志によって実施されます。
■プレミアムフライデー いつから
プレミアムフライデーの実施はいつからかというと
2月24日(金)~
です。
その後は、月末の金曜日を軸に実施されます。
■プレミアムフライデー 実施企業 一覧
プレミアムフライデーの実施企業一覧は発表されていません。
ただ、政府の経済産業省のホームページに「プレミアムフライデー推進協議会名簿」に以下の団体名が掲載されていましたので、プレミアムフライデーを推進している団体だとわかります。
・一般社団法人日本経済団体連合会
会員はトヨタ・日産・イオン・富士通・銀行など。
・一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会
会員はセブンイレブンなどコンビニや、宅配ピザ・飲食店など。
・日本チェーンストア協会
会員はイオン・東急ストア・ニトリ・文化堂など百貨店やスーパー。
・一般社団法人日本スーパーマーケット協会
会員はマルエツやオオゼキなどスーパー。
・一般社団法人日本旅行業協会
会員はHIS・JTBなど旅行代理店。
・日本百貨店協会
会員は三越・高島屋・東急・大丸・阪神など百貨店。
・一般社団法人新日本スーパーマーケット協会
会員は京王ストア・京急ストア・イトーヨーカ堂など。
・一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会
会員は上野商会・ユナイテッドアローズ・ワコールなど。
・一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会
会員はダイヤモンドビッグ社・大日本印刷など。
・一般社団法人日本ショッピングセンター協会
・一般社団法人日本専門店協会
・全国商店街振興組合連合会
・全国商工会連合会
・日本商工会議所
・日本小売業協会
・経済産業省流通政策課
一番上の一般社団法人日本経済団体連合会には、トヨタ・日産・イオン・富士通・銀行などが会員になっています。プレミアムフライデーを実施する可能性が高そうです。
他のフランチャイズやスーパーマーケット、アパレル、ファッションなどの団体は、サービス業や小売業なので消費する側ではなく、消費してもらう側だと思います。
いまのところ実際にプレミアムフライデー実施を発表しているのは、日本テクノと大和ハウス工業だけです。
アステラス製薬は、8年前からファリミリーフライデー制度を独自に導入済だとか。
通常の定時は17:45ですが、毎週金曜はいつもより2時間早い退社を促進しているそうです。すごい優良企業ですね。
しかしプレミアムフライデー実施にはコストが必ずかかるので、そこでコストを多くみれる企業もあれば、みれない企業も出てきます。すんなり導入とはいかないのが実際です。
■導入予定アンケート
DeNAトラベルが行ったアンケートによると
・導入予定ではない 55.0%
・検討中 3.3%
・わからない 39.5%
・導入済み 0.8%
・導入予定 1.4%
半分以上が導入予定がないことがわかります。
■プレミアムフライデーは公務員と大企業向けの政策
実際にプレミアムフライデーを実施できるのでは、一部の公務員と大企業だと思われます。
ただし公務員は官僚やエリート・上層部などが限られた公務員だけが実施になるだろうと思われます。
教師は学校があるので難しいでしょう。
授業は終わったあとかもしれませんが放課後には部活があります。
役所の営業時間はむしろ年中無休にしてほしいという要望もあるくらいなので、役所も難しいでしょう。
警察官や消防士などもどうなるか気になります。現場の人間は変わらないのでは。
プレミアムフライデー実施にあたり、一部の公務員や大企業正規社員には歓迎されそうです。
しかし、警察・消防・医療・サービス業・小売業・教育関連・農家・漁業・林業などには無縁です。
こういった現場で働く人達がいることで成り立つ政策だと思えます。
■中小企業には厳しい
人手に余裕ない中小企業にはプレミアムフライデーは現実的ではありません。
金曜の15時に帰るために、木曜に残業したり金曜の朝早く出勤することになる予感がします。
土曜日に出勤することにもなるでしょう。
月末が特に多忙な仕事の場合なども現実的ではありません。
かえって残業や休日出勤が増えて、企業側も人件費がかさむことになりそうです。
中小企業が、金曜15時で業務終了としたら仕事にならず取引先を失う危険がありますから、経営者が実施に踏み切る可能性は低いと思われます。
■非正規雇用にも厳しい
派遣やアルバイト・パートなど時間給で働いている非正規雇用の労働者は、プレミアムフライデー実施によってその分給料が減ることになって大変です。
早く帰ればその分給料が減るので、消費行動をしろと言われても無理があります。
生活がギリギリの人は死活問題になるでしょう。
■サービス業は負担が増える
普段から月~金9:00~17:00勤務の人達は、プレミアムフライデーの恩恵を受けると思います。
しかし、サービス業や、カレンダーと関係ない休みの職業の人たちには関係がないです。
むしろサービス業にとっては、今までよりも仕事が忙しくなると予想されます。
プレミアムフライデーの恩恵を受ける人達のためにサービス業が働くような印象さえあります。
いままで金曜に休みを取れていた人も休めなくなるでしょう。大変な曜日が増えるだけです。
販売業や飲食業、物流業はかなり負担が増えるのでは。
ヤマト運輸や佐川急便など、早めに帰宅した個人への時間指定宅配が増えたら忙しくなります。
■有給消化率をアップしたほうがまだマシ?
プレミアムフライデーの実施よりも、残業ゼロや有給消化率アップを政府が取り組んだほうがよいと思われます。もちろんこれも簡単ではないですが。
働く側からしたら、有給休暇はお金がもらえて休めますから。
日本の有給消化率は50%で、世界28カ国の中で最下位。韓国の53%以下です。
有給消化率アップを政府が促進したほうが、喜ばれそうです。
■プレミアムフライデー イベント
「プレミアムフライデー」に備えてイベントなどを企画している企業もあります。
●化粧品のコーセーは、
人気ブランドのファンデーションを3年ぶりにリニューアルしプレミアムフライデーに備えています。
いつもと違う自分を楽しむのがプレミアムフライデーのメイクだとアピールします。
●旅行代理店JTBは
アーチェリーハントなど新感覚のスポーツ体験イベントを企業などに売り込む考えです。
●日本百貨店協会は
「週末めぐらナイト」などのイベントで消費喚起を図ります。
■感想
25年前の完全週休2日制は、バブル崩壊の動きと相まって、それに吸収されて効果がなかったというのが現在の評価だそうです。
昔の日本企業の多くは、土曜日の午前中も出社するのが当たり前でした。
その後、バブル崩壊後に完全週休2日制を導入しました。
しかし景気後退と相まって、消費は増加しませんでした。
今回のプレミアムフライデーではどうなるのか?
恩恵を受けることのできる一部の公務員と大企業の人たちの消費は増えるかもしれません。
ただそれで日本経済が活性化されるとは、とても思えません。
金曜15時以降が忙しくなることでサービス業はますます休めなくなり、非正規雇用の人達は働く時間と給料が減って格差がさらに広がりそうです。
政府は、サービス業の人達にはいつ休ませようと考えているのか不思議です。
サービス業などの人達は対象外なのでしょうか・・・
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