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カズオイシグロさんが2017年ノーベル文学賞に選ばれました。国籍と経歴、嫁と子供など家族、作品などプロフィールを紹介します。
ノーベル文学賞といえば毎年候補にあがる村上春樹さんですが、2017年も選ばれず。でも村上春樹さんはもともとカズオイシグロさんをオススメ絶賛してました。
20代でイギリス国籍を所得した日本人で、カズオイシグロさんはイギリス人の嫁と結婚。作品を書くにあたり嫁は良きアドバイザーでもあるようです。
代表品はブッカー賞を受賞した「日の名残り」や日本でもドラマ化された「わたしを離さないで」など。最新作は「忘れられた巨人」があり、書店は忙しくなりそうです。
目次
■カズオイシグロがノーベル文学賞!
2016年のノーベル文学賞はボブ・ディランが選ばれ、授賞式に出る出ない騒動もあり大きな話題になりました。
2017年はそんなお騒がせはないですが、映画「わたしを離さないで」の原作者で、英国籍を取得した日本人カズオイシグロさんがノーベル文学賞を受賞しました。
日本出身の作家としては、1968年川端康成さん・1994年大江健三郎さんに次ぎ3人目の快挙となり、23年ぶりの受賞。本屋でも売れ行きが期待されます。
授賞理由は
「偉大な感情の力を持ち、我々の世界との繋がりの感覚が、不確かなものでしかないという底知れなさを明らかにした」
カズオイシグロさんには賞金900万スウェーデンクローナ(日本円で約1億2400万円!)が贈られます。
ノーベル賞の授賞式は12月10日にストックホルムで行われます。
■【ノーベル文学賞】カズオイシグロ 国籍・経歴
#ノーベル文学賞 は日系英国人の #カズオ・イシグロ 氏https://t.co/He3RcPubQs #カズオイシグロ #ノーベル賞 pic.twitter.com/q5BYIwVDPL
— 産経ニュース (@Sankei_news) 2017年10月5日
名前:カズオ・イシグロ
日本名:石黒 一雄
出身:長崎県長崎市
生年月日:1954年11月8日
年齢:現在62才
国籍:日本→成人後にイギリス
職業:作家
■国籍
カズオイシグロさんの現在の国籍はイギリス。もとは日本国籍で、イギリスに移住して国籍を変えました。
海洋学者だった父親が北海で油田調査することになり、5才の時に家族と一緒にイギリスに渡り、成人後の1982年28才の頃にイギリス国籍を取得しました。
5才でイギリスに移住してからは日本にあまり戻っていないので、日本語はほとんど話せません。でも日本の映画は好きで、昭和時代の小津安二郎監督の影響を受けています。
英文学に接した最初は、母親が日本語で読んでくれたシャーロック・ホームズやアガサ・クリスティ。
カズオイシグロさんにとって日本は外国ですが、感情面では特別なもう一つの故郷だといいます。
イギリス「タイムズ」紙で「1945年以降の最も重要な英文学者50人」に選ばれています。
■学歴
小学校は、イギリスのサリー州・ギルドフォードの小学校「グラマースクール」に入学。
卒業後は、初夏卒業・秋入学など大学入試から入学までの期間をあえて長く設定するギャップ・イヤーを取って、北米を旅行したり、音楽家になりたかったのでデモテープを作ってレコード会社に送ったりしました。
そうして大学は1978年にジェント大学の英文学科に進学。1980年にイースト・アングリア大学の大学院創作学科を卒業。もともとの夢は音楽家でしたが、文学の道に進路変更しました。
1982年29才の頃にイギリスに帰化して国籍を取得。
■【ノーベル文学賞】カズオイシグロ 結婚、嫁、家族は?
1982年28才の頃にイギリス国籍を取得しました。その後1986年32才の頃に結婚。嫁はイギリス人のローナ・アン・マクドゥーガルさん。ソーシャルワーカーで福祉関係の仕事をしてるそうです。出会いは、チャリティー施設でした。
カズオイシグロさんは嫁にアドバイスをもらって書き直して、全く違うアプローチが生まれたすることがあるそうです。嫁は頼りになる良きアドバイザーなようです。
子供は、娘のナオミさんがいます。年齢はおそらく30才くらいではないかと思われます。
■【ノーベル文学賞】カズオイシグロの作品
カズオイシグロさんはイギリス国籍を取得した日本人ですが、一貫して英語での執筆です。作品に描かれるのは、思い通りにならない人生を受け入れ、生き抜く主人公たちの強さ。
代表作は映画やドラマ化された「わたしを離さないで」、「わたしたちが孤児だったころ」などベストセラー小説。特に「わたしを離さないで」は日本で最近ドラマ化されています。
■1982年「遠い山なみの光」
デビュー作でいきなり王立文学協会賞を受賞。
イギリス在住の長崎出身女性の回想を描いた長編小説。
■1986年「浮世の画家」
2作目で今度はウイットブレッド賞を受賞し、注目されました。主人公の老画家は、小津安二郎監督映画の名優・笠智衆さんをイメージ。1~2作は、戦後の混乱期の日本を舞台に、日本人の主人公を描いた作品。
■1989年「日の名残り」
3作目で、イギリス文学界最高の権威である「ブッカー賞」受賞。カズオイシグロさんはその名を世界に広めることに。
荒涼としたイギリスの自然を背景に、英国貴族に仕える老執事の人生を描き、英国を代表する作家になりました。アンソニー・ホプキンスさん主演で1993年に映画化されアカデミー賞8部門にノミネート!
■1995年「充(み)たされざる者」
主人公はカフカ的不条理に放り込まれたピアニスト。
■2000年「わたしたちが孤児だったころ」
日中戦争中の上海が舞台のミステリー。
■2005年「わたしを離さないで」
イギリス文学界最高の権威である「ブッカー賞」最終候補に残った世界的ベストセラー小説。
臓器を提供するためクローン技術で生まれた若者たちの苦悩を描き、人間の本質を表現。映画・ドラマ・舞台化され、日本でも2016年に綾瀬はるか・三浦春馬・水川あさみが主演でTBSでドラマ化されました。
カズオイシグロ知らない人も、綾瀬はるか主演のこのドラマはなんとなく覚えてるんじゃない?その原作著者だよ。 pic.twitter.com/yGyPnxJ9zO
— アツうに (@atsucurry) 2017年10月5日
■2009年「夜想曲集 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」
初の短編集。人生や愛の終わり、叶わない夢を描きました。
■2015年「忘れられた巨人」
「わたしを離さないで」以来10年ぶりとなる長編小説。舞台は伝説の英雄アーサー王亡きあとのイングランド。竜が吐いた霧が原因で記憶を失くした老夫婦の旅物語。
夫婦の記憶=社会の記憶であり、人種差別や戦争など色々な記憶を想い起こせます。
このほか、2005映画「上海の伯爵夫人」など脚本も手掛けています。
■【ノーベル文学賞】カズオイシグロ 村上春樹は才能に気づいていた
ノーベル文学賞、毎年有力候補として注目されるのが恒例の村上春樹さんは、2017年も受賞しませんでした。村上春樹ファン=ハルキストたちもため息。
ただ、村上春樹さんは以前からカズオイシグロさんを絶賛していたので、ハルキストたちも納得のノーベル文学賞受賞となりました。
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