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「西鉄バスジャック事件」とは2000年のゴールデンウイーク5月3日に起きたバス乗っ取り事件。犯人の谷口誠一少年は事件を起こす前にネット掲示板「2ちゃんねる」にハンドルネーム『ネオむぎ茶』で犯行予告を書き込んでいたので別名「ネオむぎ茶事件」とも呼ばれています。
乗っ取られたバスは西日本鉄道の高速バス「わかくす号」。佐賀県佐賀市の佐賀駅バスセンターから福岡県福岡市の西鉄天神バスセンター行きのバスでした。刃渡り32センチの牛刀で乗っ取るもその後、翌朝に機動隊15名が突入して犯人を逮捕しました。
途中で逃げた人もいましたが、死者1名、重傷者2名を出し、日本のバスジャック史上、初めて死者が出た事件となりました。
犯人の谷口誠一少年はその後、現在どうしているのでしょう?実は事件から5年後、重症を負った被害者の山口由美子さんが面会してある言葉を投げかけています。そんな山口由美子さんの想いは犯人に届いているのでしょうか
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目次
■【西鉄バスジャック事件(ネオむぎ茶)】犯人の名前は谷口 生い立ちは?(顔写真)
犯人は17才の少年なので、事件当時に名前は公表されていませんが、ネットでは名前は『谷口誠一』といわれています。そんな谷口少年の生い立ちに迫ります。
「酒鬼薔薇(聖斗)を救い出し、少年の王国を作るつもりだった」
【西鉄バスジャック事件(2000)】、少年(ネオ麦茶) pic.twitter.com/o6iTdlNmB1
— ◆マジキチ犯罪者の名言◆ (@mazikiti_hanzai) 2018年1月21日
谷口少年の父親は建設機械会社のサラリーマン、母親は役所の保健士という普通の家庭でした。
母親は雑誌に教育観を投稿したり、子供に一日の中で嬉しかったことを紙に書かせたりする教育熱心な母親でした。
また谷口少年は祖母から『家を継ぐ人間』としての自覚を叩き込まれ『自分は特別な存在』という価値観を持つようになりました。
■小学校時代
谷口少年は学校の成績はよく優等生でした。しかし幼い頃から言動に落ち着きがなく注意散漫で、協調性に乏しく周囲に馴染めずにいました。
■中学校時代
中学校にあがるとイジメの標的となり、成績は2年生まで学年2位を誇ってました。しかしイジメが激しさを増すと、高校受験が近づくにつれ成績は落ちていき、他者へ攻撃的態度をとるように変化。
自宅では母親を「貴様」と呼び、「この家の跡取りは僕なんだ」と言って両親に命令口調で暴言を吐いたり、物を投げつけたり暴力をふるうようになりました。
■高校受験を目前に度胸試しで重症
中学3年生の1998年2月、高校受験の目前。
同級生たちが高さ5mの階段の踊り場から飛び降りる度胸試しをして、3人は着地に成功。谷口少年は怖気づいたのですが「意気地なし」と煽られて飛び降りるも、着地に失敗し、危うく半身不随になる重症を負い入院。
高校受験は特別に病室で行い、県下で有数の進学校である佐賀県立致遠館高校に合格。中学校長と担任、同級生が病室を訪れ、谷口少年のためだけに卒業式が行われました。
■高校に入学するも引きこもり
高校に入学後、新入生オリエンテーションで、緊張して声を詰まらせて言葉にならず、同級生たちから笑われます。そんなことがあり9日登校する不登校になり、引きこもりになりました。
土日は「お出かけ」と称して父親に強要し、京都・大阪・奈良・神戸・浜松・名古屋・京都へドライブ。観光するわけでもなく10時間以上延々と走り回ることも。
■2ちゃんねるにハマる
8月に親からパソコンを買い与えられると、ネット掲示板『2ちゃんねる』の書き込みに夢中になり、
ハンドルネームはキャットキラー。「馬鹿猫引っ込め」「豚野郎」など攻撃的態度で、ほかのユーザーとネット上でバトルをするも負けてしまい、ハンドルネームを「ネオむぎ茶」に変更。
■2000年の春 療養所に入院
3月2日、谷口少年の様子をおかしく思った両親。父親が「お出かけ」に連れ出した隙に、母親がクローゼットから牛刀などの刃物類とスタンガン・催涙スプレーを発見。
3月4日、母親が机の引き出しから遺書めいた犯行声明文を発見。
3月5日、精神医療センター『国立肥前療養所』と警察に息子の保護を要請しますが、精神鑑定医の診断や事件性の有無を理由に断られます。そこで母親はテレビ出演していた有名な精神科医の町沢静夫さんに連絡し、肥前療養所と警察に協力を取り付けてもらい、即日入院の許可を得ることに成功。
両親が谷口少年に説得を試みるとキレて母親に暴力をふるいますが、警察が到着するとおとなしくなり肥前療養所に入院。
その時谷口少年は「貴様ら、前から僕を精神科に入院させることを考えていたのか。この恨みは絶対に忘れないからな。覚えていろよ」と両親に言い残しました。
■2000年5月3日「西鉄バスジャック事件」
谷口少年は病院でおとなしくしていたため、1泊2日の外泊許可が出て5月3日に帰宅。
そして『2ちゃんねる』にハンドルネーム『ネオむぎ茶』で「佐賀県佐賀市17歳 ネオむぎ茶 ヒヒヒヒヒ」と書き込むと、森林公園にサイクリングに行くと嘘をついて、途中で牛刀を買ってリュックに忍ばせ、佐賀駅バスセンターから12時56分発の「わかくす号」に乗車し、「西鉄バスジャック事件」を起こしたのでした。
実は、もともとは「バスジャック」でなく母校の中学校を襲う計画でした。校舎の1階から各教室で生徒たちを襲い、3階の教室に立て篭もり、マスコミの注目を浴びるなか飛び降り自殺するつもりでした。
しかし5月3日が中学校が休みだったので、急遽計画を変更して「西鉄バスジャック事件」を起こしたのでした。
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■【西鉄バスジャック事件】犯人・谷口少年の動機は?
犯人・谷口少年が「西鉄バスジャック事件」を起こした動機はなんだったのか?
犯行の動機は
・『2ちゃんねるで』で煽られたから
・精神医療センターに入院させた親への腹いせ
といわれています。
谷口少年本人は動機について
「目立ちたかった」
「事件を起こして親を苦しめたかった」
と自供しています。
教育熱心な母親からのプレッシャーや、祖母から『特別な人間』と思わされたことで心の闇が広がっていったのでしょう。
■【西鉄バスジャック事件】死者も逃げた人もいた
2000年5月3日の昼「博多どんたく」の真っ最中。バスには乗客21人が乗っていました。
犯人・谷口少年は叫びながら牛刀で脅し
「このバスを今から僕が乗っ取ります。乗客のみなさんは自分の荷物を座席に置いて後のほうに移動してください」
■最初の重傷者
乗客は後ろに移動したが、疲れた眠っていた高取千佳さん(34才)を「ふて腐れて寝たふりをしていますね。僕の指示に従えないんですか」と、谷口少年は彼女の首や手首を牛刀で刺し血が噴き出ました。最初の被害者です。
■逃げた人
バス運転手はハザードランプやパッシングで外部に異常事態を伝えようとするとともに、乗客をトイレに行かせてほしいと頼んで路肩に停止。すると降りた女性が逃げて高速道路沿いにある非常電話で通報。最初の逃げた人です。
■2人目の重傷者
逃げた人について「裏切り者は絶対に許せませんからね」と言い、連帯責任だとして山口由美子さん(50才)を牛刀で斬りつけました。
■2人目の逃げた人
15:30頃、30才女性が窓から飛び降りて脱出。地面に叩きつけられて骨折するも警察に救出されました。
犯人・谷口少年はまた連帯責任を言い、塚本達子さん(68才)の右肩を牛刀で刺しました。
■3人目の逃げた人
16:20頃、52才男性が窓から飛び降りて逃げました。
犯人・谷口少年はまた連帯責任を言い、塚本達子さん(68才)を刺し、ついに死者が出ました。
■人質解放
17:25頃、反撃を恐れてか、犯人・谷口少年はトンネル内で男性4人を解放。そして初めての一人旅だった幼い6才の少女を盾にしました。
パトカーが進路を塞がれ、奥屋パーキングエリアで機動隊から説得され、山口由美子さんと死者の塚本達子さんを解放。
よる10時、小谷サービスエリアで高齢女性1人を解放。
■人質解放
日付が変わり5月4日の早朝5時
割られた窓ガラスから音響手榴弾が投げこまれ、なだれ込んできた捜査員にねじ伏せられ犯人・谷口少年は現行犯逮捕されました。わずか2分ほどの攻防でした。
西鉄バスジャック事件の凄い所は突入を機動隊員がやらず刑事がやり、刑事達が「防弾チョッキは重くて動くのが遅れる」と言い、無防備状態で突入して、1分足らずで解決した事。 pic.twitter.com/yBS4nOuoOj
— デカ長黒岩 (@zoffy110) 2018年2月8日
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■【西鉄バスジャック事件】犯人・谷口少年のその後、今現在は?
■その後 京都医療少年院に収容
犯人・谷口少年はその後、刑事責任能力の有無を確かめることになりました。
佐賀家裁は事件当時の責任能力は認めたものの、精神鑑定結果が「解離性障害や行為障害の症状」を指摘したのを受け、解離した施設で日常的に精神科医の観察が必要と判断。
2000年9月、5年以上の医療少年院送致とする保護処分を下し、10月2日に谷口少年を京都医療少年院に収容しました。
■その後、今現在は?
その後、2006年1月、22才で京都医療少年院を仮退院。
3月まで保護観察処分となり、3月26日に保護期間が満了し、正式に退院しました。
■【西鉄バスジャック事件】山口由美子 テレビで再現ドラマ化
西鉄バスジャック事件被害者・不登校の子を持つ親 山口由美子さんに聞く【不登校50年・公開】
2000年5月、西鉄バスジャック事件はずっとテレビで中継されていた。この日、佐賀駅バスセンターを出て福岡天神まで行く…https://t.co/A8uIZq0od1#西鉄バスジャック事件 #不登校 pic.twitter.com/DeGluCQ4Bf
— 不登校新聞 (@futokoshinbun) 2018年2月25日
山口由美子さんは犯人・谷口少年から重症を負わされた1人で、親友の塚本達子さんが亡くなるのを目の当たりした人でもあります。
そんな山口由美子さんですが、事件から5年後に犯人・谷口少年に面会。
「誰からもわかってもらえず、つらかったんだね」
そう言うと谷口少年は深々と頭を下げ謝罪したそうです。
山口由美子さんは事件のその後、親と子が学び育ち合う居場所を開設し、不登校の子供たちのためのフリースペースをサポートして、子育てに悩む親の会の代表を務めています。
そして山口由美子さんを松下由樹さんが演じた再現ドラマが、5月3日の21:00からテレビ『直撃!シンソウ坂上』で放送されます。
《5月3日(木)21時00分~放送》
今週の「シンソウ坂上」は、2000年の「西鉄バスジャック事件」を
実際の報道映像も交え、豪華キャストでドラマ化。当時中継もされた衝撃の突入劇の舞台裏、
さらに、17歳の少年犯と被害女性との知られざる「その後」の物語…。
どうぞご期待ください! #シンソウ坂上 pic.twitter.com/w4Y5K5ZC6N— 直撃!シンソウ坂上【公式】 (@ss_fujitv) 2018年4月30日
多分おそらく
来週5月3日(木)21時の
【直撃シンソウ坂上】の西鉄バスジャックの再現Vの犯人は今井悠貴くんだと思いますので皆さんお見逃しなく!#今井悠貴 pic.twitter.com/p9QJWT1eyj— Cha☆・_・`nce (@moon228814) 2018年4月26日
2018年の今現在、犯人・谷口の年齢は34才前後かと思われます。山口由美子さんの想いが通じ、更生して真面目に社会復帰していることを期待します。犯した罪を消えません。一生十字架を背負うことになります。
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