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「ディアトロフ峠事件」とは、1950年代旧ソビエト連邦下のウラル山脈で、男女9人が謎の怪死を遂げた遭難事件で様々な真相ネタバレがされています。
捜索隊が発見したとき、学生たちはすでに全員死亡。マイナス30度の極寒なのに防寒着を着ておらず、靴も履いていない。うち6人は凍死でしたが、残り3人は頭蓋骨陥没など激しい損傷があり、女性1人はなんと舌がなくなっていました。写真に写っていた謎の光や、放射能まで検出され謎は深まるばかり。
真相ネタバレは諸説あり、雪崩に殺された、原住民に殺された、イエティに殺された・・・放射能は軍のしわざだとも。さらに最近になって出版された本では、大気物理学のカルマン渦が真実だという説まで。
世界で映画化やゲーム化もされたディアトロフ峠事件の真相ネタバレに迫ります。
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目次
■【ディアトロフ峠事件】とは
1959年1月ソビエト時代
ウラル工科大学の学生9人(男7人・女2人)は全員、長距離スキーや登山の経験者でトレッキング第二級の資格あり。指導者になるために必要な第三級の資格を得るため、合計100キロを14日間で回る過酷な登山旅行に出かけました。
しかし出発から数週間後、折り返し地点の手前10キロ、ウラル山脈を超えようとして遭難。場所はロシア西部のウラル山脈、未開の原生林が広がる極寒の山奥。
遭難後、捜索隊によって全員が異常な姿の死体が発見されました。登山グループのリーダー学生がイーゴリ・ディアトロフ23才だったことから、のちにこの事件は「ディアトロフ峠事件」と呼ばれ、のちに映画化もされています。
※映画は2013年に公開。ドキュメンタリータッチ作品ですが、実話にフィクションを被せて最後はホラーコメディになってます。
■9人の変死体
6人は、気温マイナス30度という極寒なのにほとんど裸で、死因は低体温症。防寒着やブーツはテントのの中に置き去りのまま。
近くの森に見つかった2人は下着姿で、何かから逃げて木を登った形跡がありました。山の斜面で見つかった他の遺体も、逃げるような姿勢で倒れ手には争ったような形跡が。
残る3人はキャンプから1.5km離れた森の奥の渓谷の、身を隠すようにかかんだ姿勢で雪に埋もれて発見。さらにこの3人は激しい損傷ダメージを受けて頭蓋骨や肋骨を砕かれ、内臓も損傷、目玉がない者もいました。恐ろしいのは、女性リュドミラ・ドゥビニナ20歳は舌がなくなっていたことです。
■何から逃げた?放射能も
9人全員が何らかの理由でテントから飛び出して、気温マイナス30度の、月明りもない暗闇に逃げ出したということ。
謎は他にも。テントは内側からナイフで切られ、さらに遺体の衣服からは異常な濃度の放射能も検出されています。
■真相は「正体不明の抗い難い力」?
謎だらけのこの事件について真相を巡り様々な説が飛び交いました。
・原住民が犯人説
・軍が関与した放射能説
・謎のオレンジ色の光
などなど・・・
しかし当時のソ連は、「ディアトロフ峠事件」の捜査は僅か4週間で打ち切り、真相は「正体不明の抗い難い力によって死亡」と処理しました。
まさに真相は闇の中へ・・・ですが最近になって本で大気物理学のカルマン渦が真相という説も浮上しています。
そこで諸説ある真相についてネタバレしていきます。
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■【ディアトロフ峠事件】真相説1 雪崩で死んだ?
就寝中、とつぜん雪崩が起きたので、防寒着を着る暇もなく慌ててテントから飛び出したという説です。
しかし、遺体にあった損傷は雪崩が原因とはとても思えません。
■【ディアトロフ峠事件】真相説2 原住民に殺された?
ウラル山脈には500年頃から「マシン族」という先住民が暮らしています。彼らは閉鎖的で縄張り意識が強く、よそ者の侵入を好まないので襲ったという説ですが、これはまったくの事実無根。
ソ連の秘密警察KGBに殺人容疑をかけられ大勢が逮捕され、無実の罪で拷問されましたが、殺人の証拠は見つからず。
マシン族が学生たちと接触があったのは事実で、死んだ学生の日記にも「マンシ族とモメた」と記載があったのですが、マシン族はむしろ「死の山に恐ろしい何かがいる」「ここから先には決して立ち入るな」と警告していたのです。
■【ディアトロフ峠事件】真相説3 イエティに殺された?
イエティとはロシア全土で目撃される怪物の総称で、
日本では「雪男」
北米では「サスクワッチ」
スマトラでは「オラン・ペンデク」
シベリアでは「カクシャ」
コーカサス山脈では「アルマスティ」
マンシ族のウラル山脈では「メンク」
と呼ばれています。
1970年代から5000件以上の目撃証言があり、ロシアではニュースでも報道されるほどで、巨大が足跡が各地で見つかっています。
■イエティとはどんな生物?
イエティは、身長2m半、足のサイズ40cm以上、手には10cmの鍵爪、歯はカミソリのように鋭く、直立歩行で、走ると時速70kmというスピード。
その怪力で熊をも2つに引き裂き、好物は肉の柔らかい部分。シカを殺すことが多く、首をへし折り、その内臓や舌を食べます。舌といえば、「ディアトロフ峠事件」犠牲者の1人が舌がなくなっていた・・・
またイエティは、人間が吹くとは違う「ヒュー」という奇妙な口笛を吹くのが特徴。マンシ族は「ディアトロフ峠事件」当日も口笛が聞こえてきたといいます。
■学生のメモ「雪男は存在する」
イエティについて、アメリカの探検家の調査によって公になった真実が。
事件以来50年以上機密とされ国家公文書館に保管されていた捜査資料に、驚くべき写真が。
テントの写真に、人間以上の巨大な足跡が、親指の輪郭まではっきり映っていたのです。
さらに、学生が残したメモに「雪男は存在する」と書かれていたのです。
■真相はイエティに殺された?
学生たちはイエティの縄張りに入ってしまい、怒ったイエティに襲われて、全員パニックになるテントから逃げ出したのかもしれません。
体に激しい損傷を受けたのはイエティから攻撃されたから。しかし舌がなくなってるのが女性1人だけというのは、不可解でもあります。どうせなら全員の舌を食べてもよかったのに。
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■【ディアトロフ峠事件】真相説4 放射能は軍のしわざ?
ディアトロフ峠事件には実は生存者がいました。もともと10人で出発したのですが、1人だけ急病を患い途中で引き返したので、9人となったのです。
唯一の生存者ユーリ・ユージンは2013年76歳で死去しましたが、生前に奇妙な証言をのこしています。
捜索隊に頼まれて遺品を確認すると、なぜか軍用のブーツカバーがあったと。それはロシア語でオドモッカと呼ばれる、1950年代ソ連軍とKGBに支給されていた代物。
ということは、捜索隊が到着する前に、ソ連軍が事件現場にいた?
■放射能は軍のしわざ?
「ディアトロフ峠事件」現場の周辺は、実はソ連の放射能研究の極秘拠点でした。
事件当時1940年代から、現場から80km離れた街マヤークの核施設では、1949~1956年にかけて放射能物質の垂れ流しもあったのです。
事件当日、初の2弾ロケットのミサイル実験が行われ、空に向かってを撃ち、発射による衝撃を調べる計画がありました。
しかしおそらくミサイルは軌道を外れてしまい、学生らのキャンプに近い山の斜面を直撃。だから衣服から放射能が検出されたという真相説です。
■逃げ出した理由はミサイル?
学生たちが最後に撮影した写真には、謎のオレンジ色の光源が映っていました。
これはミサイルの空中爆発であり、その衝撃波でびっくりして目が覚め、まぶしい光で一時的に目が見えなくなり、恐怖で森へ逃げ出したのかもしれません。
■殺した犯人は・・・
イエティも同じくこのオレンジ色の光源に怯え、学生たちを襲ったとも思われます。
もしくは、無人だったはずの未開の森にいたことで軍の秘密実験を目撃してしまったことで、ソ連軍から拷問を受けて死んだとも考えられます。つまり、体に受けた激しい損傷は軍によるもの。
■【ディアトロフ峠事件】真相説5 大気物理学のカルマン渦が真実?
最後に紹介するのは、2018年発売の本「死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相」のなかで明かされた真相です。
大気物理学の「カルマン渦列」という気象現象により、超低周波音が発生したことが、原因だという説です。
■大気物理学カルマン渦列とは?
ディアトロフ峠のある山の形状は、左右対称でドーム形の障害物となる、カルマン渦が発生するための理想的な条件が整っていました。
風が山(障害物)にぶつかると、「カルマン渦」を発生します。
「カルマン渦」によって、超低周波音が発生。さらにその超低周波音が原因で危険な竜巻が発生し、貨物列車のような轟音に包まれます。超低周波音は人間の胸腔も振動させます。
恐ろしい轟音と超低周波音によってパニックに陥った9人は、着の身着のままテントから外に逃げ出します。
しかし外は月もない暗闇。テントに戻ることができず山の中をさまよううちに凍死してしまった・・・
■大気物理学のカルマン渦が真実?
着の身着のままテントから外に逃げ出した説明にはなりますが、舌がなかったり、体に大きな損傷を受けた説明にはなりません。動物にやられたのか?やはりイエティにやられたのか?
結局、真相ネタバレはしきれないというのが真実かも。
自然の猛威の前では人間は無力だということだけはわかりましたが。
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