リーブ・アリューシャン航空8便がプロペラ落下!事故原因は?生存者を救った緊急着陸がすごい

「リーブ・アリューシャン航空8便」はプロペラが落下して操縦不能の事故に陥るも、奇跡の緊急着陸に成功して生存者を救った有名な機体です。事故原因は果たして。

1983年、アラスカからシアトルへ向かう定期便だった「リーブ・アリューシャン航空8便」は、離陸直後に4基のプロペラのうち1つが落下する事故。さらに想像を超える事態に襲われます。

床に大きな穴があき、機内は霧におおわれ、操縦桿が効かない制御不能。速度を下げることもできない・・いったいこの事故原因は?
 
 

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■リーブ・アリューシャン航空8便 いつものフライトのはずが


1983年6月8日
アメリカのアラスカ州「コールドベイ空港」からシアトルの「タコマ国際空港」に向かう週1の定期便が、プロペラ4基で飛ぶ「リーブ・アリューシャン航空8便」でした。

乗客は70席に対して10名とガラガラだったは、この飛行機の機種ロッキードL-188は、過去に空中分解する連続事故を起こしていたので人気がなかったから。

天候は晴れ、乱気流なし。飛行時間は5時間の予定。

乗務員は、機長・機関士3名、客室乗務員2名のベテランばかり。いつも通りのフライトのはずでした。

■リーブ・アリューシャン航空8便 事故発生


離陸から30分後、自動操縦に切り替えた直後のこと。

高度5800mで太平洋上を飛行中、いきなり謎の振動と異常音が。

■プロペラ落下で機体に穴!

機関士とキャビンアテンダントが窓から見た光景は、想像を超えるものでした。

なんとがプロペラ1基が外れて機体下部を直撃し、客席の床に海が見通せる程の巨大な50cm以上の穴が空いてしまいました。

■機体の中に霧、制御不能

プロペラが当たって空いた穴から空気が流れだし、気圧が急減して機体の中に濃い霧が発生。

コックピットの機長は出発地「コールドベイ空港」に引き返そうとしていましたが、操縦桿が動かず制御不能に陥りました。速度を下げようとしても、高度を下げようとしても全く効かず、旋回もできません。

真っ直ぐ飛ぶことしか出来ず、コースを外れてシアトルと反対方向のベーリング海へまっしぐら。

■奇跡的に旋回

プロペラ落下と機体に穴が空いた報告を受けた機長が、とっさに自動操縦に切り替えると機体は安定し、高度3000mまで下げることに成功。

※通常の高度は、空気抵抗やエンジンの燃焼効率のバランスを考慮して1万mを飛行します。

しかし一方で機体は右に傾いていて、旋回は難しく、エンジン出力も制御できない深刻な状態。

その後、機長が副操縦士が精いっぱい力を操縦桿を握ると、ゆっくりだが奇跡的に旋回することが出来ました。
 
 

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■着陸できない!

ただそれでも出発地「コールドベイ空港」に引き返すことは困難です。

燃料が満タンなのでエンジン出力を絞れないので減速が出来ず、時速370km。

通常の着陸速度は時速250kmですが、時速370kmで滑走路に侵入したらオーバーランして住宅街にツッコミ大惨事になってしまいます。

エンジンをもうひとつ止めても時速250kmを下回ることは出来ません。「コールドベイ空港」より滑走路が長いアラスカの「キングサーモン空港」でも同じくオーバーランしてしまうとわかっています。

そこで、滑走路の長さが3200mあるアラスカの「アンカレッジ空港」に着陸しようと決断。

現場では緊急着陸の準備を進めていきます。

■ついに着陸!生存者は?

「アンカレッジ空港」に向かう途中には、乱気流が起きやすいアリューシャン山脈がありましたが、幸運にも乱気流は発生していませんでした。不幸中の幸い!

4時間もの悪戦苦闘の末、「アンカレッジ空港」付近の上空に到着。

このころになると、なぜか手動操縦が可能になるまで回復し、着陸操作も可能に。

しかしエンジン出力を絞れないのでまだオーバーランの可能性が。

そこで第2エンジンを停止して着陸を試みるも、速度が速くて失敗。

2度目の着陸で機長は全エンジンを停止させて命がけの一発勝負に賭けました。失敗すればオーバーランして大惨事になる恐れが・・・。

結果、非常ブレーキから煙は上がりましたが火災にはならず無事着陸成功!

生存者は全員。乗員乗客15人全員が無事でした。

機長らクルーたちはその功績を称えられ、当時のレーガン大統領から表彰されました。

■リーブ・アリューシャン航空8便 事故原因はなんだった?


まず、プロペラが外れた原因ですが、これは原因不明のまま。

外れたプロペラは機体に穴をあけたあと海に落下したので調べることができませんでした。

次に、操縦桿が効かなかった原因は、穴が空いたときの急激な減圧によってゆがんだ機体に、操縦系統のケーブルが圧迫されたからでした。

そんな状態だとはその時知らなかった機長たちですが、力ずくで操縦桿を動かした結果、挟まっていたケーブルに隙間ができて4時間後には手動操縦できるまで回復したのでした。

プロペラが外れて、機体に大きな穴があき、操縦不能に陥るという、想像をはるかに超える事故にあっても、乗り越えても無事着陸した「リーブ・アリューシャン航空8便」の奇跡は、海外ドキュメンタリー番組『メーデー!:航空機事故の真実と真相』でも副操縦士本人が出演して当時のことを伝えています。

ちなみに機体のL-188は、現在は老朽化のため保管かスクラップ。いくつかは貨物機や消防機として運航されてるそうです。日本の航空会社はもともと採用していません。
 
 



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